勘太夫社中が夏に回檀する岡山備前では、昔から『楽々の舞』の奉納が重要視されている。楽々の舞と書いて“ささのまい”と読む。他の地域では披露する機会の少ない舞であるが、備前においては楽々の舞の奉納に登場する笹を、古より牛馬安全の護符と捉えており、牛小屋・馬小屋の入り口に挿す習慣が見られた。畜舎が少なくなった現在では家内安全の印として玄関や床の間に笹を挿す習慣が残っている。
△楽々の舞
△笹の枝には数に限りがあるため、総舞終了後はあっという間に行列ができる。